これまで家族同然に暮らしてきたペット、あなたにとってかけがえのない存在といえるでしょう。
しかし、ペットと共に引っ越しが必要となった場合、ペット可の賃貸物件がなかなか見つからず、途方に暮れてしまうかもしれません。
愛おしいペットを、離れて暮らす家族や友人に預けるのも気が引けることでしょう。
引っ越しの期限が迫る中、焦りを感じるかもしれませんが冷静にペット可の賃貸物件を探し契約する必要があります。
本記事では、なかなか見つかりにくいペット可の賃貸物件を探すポイントや、契約時の注意点を紹介します。
もくじ
ペット可賃貸が見つかりにくい理由
そもそもペット可賃貸が見つからない最大の原因は、ペット可の賃貸物件自体が非常に少ない点です。
人口が多く、賃貸物件の需要が高い東京都ですら、ペットと暮らせる物件数の割合は12〜15%程度といわれています。
何とかペット可の賃貸物件を見つけても、契約を申し込む頃には全室が埋まっている状況も珍しくありません。
そのため、効率的にペット可賃貸を見つけ出し、迅速に賃貸借契約を締結する必要があります。
ペット可賃貸を探すときに選ぶべき不動産会社の特徴
ペット可賃貸を効率的に探し出すため、まずは賃貸物件を扱う不動産会社の選定が必要です。
各不動産会社によってペット可賃貸を扱う件数は異なります。
そのため、最初からペット可賃貸を多数扱っている不動産会社に注目し、あなたのニーズあった物件を見つけましょう。
ペット可賃貸を扱う不動産会社は、インターネットで容易に検索できます。
物件数を多く取り扱っている不動産会社
賃貸物件を豊富に扱っている不動産会社なら、あなたの理想に合ったペット可賃貸を見つけ出せる可能性が高いです。
賃貸物件を数多く取り揃えている不動産会社は大手がほとんどなので、不動産会社のホームページからペット可賃貸をすぐに検索できます。
検索欄の「ペット可」をチェックし、他にもこだわり条件などを反映した上で検索すると、希望エリア内にペット可賃貸は何件あるのか表示されます。
物件の候補は複数選定し日程を調整した上で、内覧を申し込みましょう。
ペット可の物件に力を入れている不動産会社
ペット可賃貸に特化した不動産会社であれば、さらに理想の物件に出会える可能性が高くなります。
ペット可賃貸に力を入れている不動産会社は、大手の他に中小規模の事業所も多いです。
たとえ小さな不動産会社でも、担当スタッフはペットと共に暮らす細やかなポイントを熟知しています。
物件選びの際、ペットの種類・頭数に合わたチェックポイントを教えてくれることでしょう。
複数のペット可賃貸を比較しつつ、あなたとペットに合った最適な物件を探し出せます。
ペット可物件を探すポイント
迅速にペット可賃貸を契約したいなら、柔軟に物件を選ぶ必要があるでしょう。
「ペット可」の条件は譲れなくとも、ある程度住みたい物件の条件を緩和すればそれだけ多くのペット可賃貸を選び出せます。
時には譲歩もペット可賃貸を探すポイントになりますので、ペット可を除いて妥協できる条件はないか、慎重に検討していきましょう。
居住エリアを広げる
ペットを優先的に考え、居住エリアを柔軟に検討してみましょう。
賃貸物件を検索する際、仕事や学業のため住みたいエリアや物件の周辺環境(例:駅近やショッピングセンターが近い等)を限定する人も多いでしょう。
しかし、好立地の賃貸物件が「ペット可」になっていない可能性もあります。
そのため、「住みたいエリアと隣のエリアも検討してみよう」「駅近でなくとも、自転車で10分程度の物件を探してみよう」と範囲を広げれば、満足できるペット可賃貸を発見できる場合があります。
ペット可以外の条件を広くする
物件を探す際のこだわりについて「ペット可」以外の条件を緩和してみましょう。
ペット可の条件の他にいろいろな希望条件を加え、物件を探しているかもしれません。
しかし、たとえば「2階以上の物件で角部屋」「オートロック完備で管理人が常駐」「築年数〇年以内」と条件が多ければ多いほど、ペット可賃貸はなかなか見つかりません。
あなたが妥協できる条件を冷静に検討し、条件を緩和・除外すれば、ペット可賃貸が早く見つかる可能性もあります。
ペット可以外のこだわりについて、優先順位をあらかじめ立てておくとよいでしょう。
とくに、築年数が古い物件や駅から徒歩20分などの物件は入居者が少なく、ペット可賃貸にしている物件もあります。
希望家賃の上限を高くする
ペット可物件を探す際には、できるだけ希望家賃を高めに設定してみましょう。
ペット可物件を管理する大家さんや不動産会社にとって、修繕の負担が増えるため家賃を高めに設定している傾向があります。
そのため、家賃の上限を高くすれば、ペット可賃貸を見つけられる可能性も上がります。
ただし、あなたの経済状況に合わせ無理のない家賃設定が必要です。
たとえお目当てのペット可賃貸に引っ越しができても、重い家賃負担であなたやペットが窮乏してはいけません。
家賃の上限を高くした分、「自分が参加する呑み会をセーブしよう」「家電製品の買い替えはまた今度にしよう」と、無理なく出費を抑えられる範囲内で検討しましょう。
大家さんに交渉する
ペット可の物件でなくても大家さんとの交渉次第ではペットと共に住める可能性があります。
賃貸物件を紹介する備考欄等に「ペット相談可」と記載されていれば、大家さんがペットの入居を容認する場合もあるのです。
また、ペットに関する記載がなくとも、まだ諦めるは早いです。
たとえば賃貸物件が長期間空室となっていれば、大家さんは何とか入居者を入居させたいことでしょう。
空室が続く場合などは、ペットの入居も条件に入れて話し合えば、入居が認められる場合もあります。
ペット可賃貸物件を契約するときの注意点
ペット可賃貸を発見できたからといって、いきなり賃貸借契約を申し込むのは早計です。
ペットと住み始めた際、想定外のトラブルが発生するおそれもあります。
契約前にあなたの飼育しているペットの状態、入居できるペットの条件、賃貸物件の住環境をよく考慮する必要があるでしょう。
飼えるペットの種類・頭数を確認しておく
ペット可賃貸を見つけたら、まず入居可能なペットの条件を確認しましょう。
ペット可であっても賃貸物件ごとに条件はそれぞれ異なります。
「小型犬1匹まで」「猫のみ入居可能」「体重〇kg以内」「大型犬は飼育不可、他は要相談」等、提示された条件を満たすか確認しましょう。
なお、賃貸マンションの場合は大型犬の入居可能な物件は少なく、あっても家賃は高額となるケースがほとんどなので注意しましょう。
入居前チェックは入念に行う
ペット可賃貸でも入居して飼育する前に、不動産管理会社への連絡を必須としているところがあるので必ず契約内容を確認し従いましょう。
連絡を怠ると、あなたは違約金を請求される可能性がありますので、必ず入居前に物件内でのペットの飼育に関するルールを確認しておきましょう。
念のため、事前にどのようなケースで違約金が発生するのかを把握していれば、入居後に慌てる事態もありません。
また、賃貸物件の場合は退去時に原状回復を求められるので、入居時には居室内の傷や汚れは入念にチェックしておきましょう。
ペットトラブルも理解して選ぶ
ペット可賃貸でペットを飼育する場合、飼い主として責任を持ち、ペットを管理する必要があります。
特に飼い犬と入居する場合は注意が必要です。
うっかり玄関を開けていると、飼い犬が逃げ出し、同じ物件の入居者に噛みつくおそれがあります。
他の入居者にケガをさせると補償はもちろん、大家さんから契約を解約され、退去を命じられる可能性もあるでしょう。
また、ペットの鳴き声や足音も騒音トラブルに発展するおそれがありますので、無駄吠えや興奮時のしつけをしておくと安心です。
間取りや室内の素材について確認して選ぶ
ペット可賃貸であっても間取りや室内の材質など、安心して暮らせる環境かどうかをよく確認しておきましょう。
たとえば、リビングから玄関扉の間にドア・仕切りがないと、扉を開けた瞬間ペットは脱走してしまうおそれがあります。
また、室内の壁や柱をペットが引っ搔いたり噛んだりすると、敷金全額が償却されてしまう他、追加で原状回復費を請求されてしまう可能性もあるでしょう。
室内の壁や柱が傷つきやすい材質かどうか、傷防止のシートがどれくらい必要かを把握した上で、賃貸借契約を締結します。
まとめ
ペット可の賃貸物件は都心でも数が限られているので、ペットと共に引っ越しをする場合は賃貸物件の条件をある程度柔軟に考えておく必要があります。
また、ペット可の賃貸物件を見つけても、入居可能なペットの条件や契約内容をよく確認しておきましょう。
入居条件等を満たしていないと、また最初から物件を探さなければいけません。
ペット可の賃貸へ住むには、人間だけが入居するとき以上に、慎重な準備が求められます。